- うみのきんぎょ
一生、修行中の身
今日もとても気持ちの良いお天気に恵まれています。
朝に開けた窓からは爽やかな風が心地よく流れる中、軽く掃除をして、
コーヒーを入れて深呼吸。いいことが起きそうな気がしてきます。
HAPPYな気分で少々のことなら笑顔でやり過ごせそうな気分です。
そんな中なんとなくふと、昨夜TVで見たバラエティのことを思い出しました。
〈怒らない事〉でおなじみのお笑い芸人にドッキリを仕掛け
「不思議なこと、おかしなこと、理不尽なことも受け入れて、本当に怒らないのか」
というような内容で、数々のドッキリで数日の間、試されていました。
そのひとつに、乗ったタクシーが伝えた目的地と反対方向へ向かっていくというのがあり
気が付いて「すみません、自分(の認識)が間違っているかもしれないんですけど
方向が違うような気がするのですが」とやんわりと伝えるも
運転手は「いやいや、大丈夫ですよ」と一向に取り合ってくれない。
明らかに違っているのに「勘違いならすみませんが」と優しい前置きを忘れない。
しかも、「降ろしてください」と何度お願いしても、車を止めてくれない。
品川駅が見えたので「じゃあ、その駅で降ります」といっても無視して通り過ぎる。
多分恐怖すら感じたであろう彼は「すみません、あの警察に連絡させてもらうことに…」と
あくまでも下手に告げて、ようやく車を止めて降ろして貰えることになった彼は
「すみません、勝手なことを言って。」と詫びつつ目的地から遠くなったそこまでの料金を言われるままに支払いました。
嘘でしょ!? なんて強い心をお持ちなのか?
もしそれが自分だったら、と思うと身の毛がよだつのであった。
朝の空気が爽やかだろうが、コーヒーが旨かろうが、もう関係ないんである。
おそらくなかなかの悪態をついて鬼の形相になるに違いないんである。
そう思ったとたん、カップに残るコーヒーが、急激に冷たくなり、
心なしか苦く感じたのでした。
ああ、強くて優しい人に、私もなりたい。
